タグ: 思入人
日向正親 ハードロック解説
2枚組。アルケミーから発売された作品の中でもっとも再プレス希望が多い作品でもある。明日のことはわからないが、わからないこともまた幸せだった時期にリリースされた。前回送った花電車とは雰囲気が全然違うのだけれど、どっちが好みだろうか。わしはどっちも好きだ。ハードロック時代になにもかも知ってしまっただけ。なお、三曲目からのソーシングとなったが、これはいろんな所に持っていって聴いていた罰。CDにヒビが入り、1、2曲目が聴けないから。
マリア観音
現在、日本で最も非商業的なバンド。ベースの自殺などを乗り越えて、現在は杉並の公民館を毎月借り切ってステージに立つ。花電車とのハード対決で完全勝利し、おれから云わせると花電車にハードロックをあきらめさせたバンド。結成は80年代後半。ハードコアのライブを見て、おれならもっと凄いことができると始めたのはリーダーで身長・アクションすべてにおいてナイナイ岡村とうり二つな木幡東介が、岡村にはない「果てのないシリアス」さで観客すべてを圧倒する。死ぬまでに一度はライブを見ておいた方がいい。見せ物としてのミュージックというものがどういうものか、彼らは本当によく知っている。抽象的だが、そういわざるを得ない。ただ、濃いだけのバンドはどこにでもいる、でも本当のシリアスを知っているものはごくわずかだ。
DEW
現存する唯一のDEWフル音源。ハードロック好きなにんげんなら一度は通らなくてはならない道だと、勝手に思っている。演奏はどうでもいい、ボーカルの布谷文夫のキレ方におどろけ! 1971年フォークジャンボリーでのライブ。おなじ日、おなじステージに、彼がもといたバンドで旧友の竹田和夫率いる「ブルース・クリエーション」のグレートなライブがあり、それも続いて収録した。
その後、彼はDEWを解散し大瀧ファミリーの仲間入りをして、奇妙としかいいようのない「ナイアガラ音頭」をリリース、売れ行き不振のままサラリーマンになったが数年前復活。相変わらず相手が誰だれであろうとも食ってしまう熱いステージを繰り広げている。
ブルース・クリエーション
前述のDEWの狂乱ボーカリスト、布谷文夫が天才ギタリスト竹田和夫と組んでいたGSバンド「ビッキーズ」からブルースを演奏するために始めたのがこのブルース・クリエーションである。布谷は1st発売時点で脱退、代わりに入ったボーカリストがこのカタカナ英語で歌い倒す、これまた逸材の大沢博美である。2nd「悪魔と11人の子供達」でハードロック、とりわけブラック・サバスやクリムゾンを彷彿とさせるヘヴィ・チューンで日本ロック・ファンの度肝を抜く。
竹田和夫の分かれた女房で、未だに姓を名乗っている竹田さんとは東京で初めて行きつけになった近所のストーンズ・バーで知り合った。
「どんなひとでした?」
「あぁ、あいつはね、ただのギター少年なんだよ」
こういう、ロック・イディオムの中でインプロ・プレイするひとたちをどうにもこうにも忘れられない。ロックってそういうもんでしょ? なにも考えずにひたすら陶酔する、プレイヤもオーディエンスも。チューニングのずれすらかっこいいのは、焼けるほど熱い彼らのプレイそのものから来ていると思う。ハードロック最高!
後々、「クリエーション」と改名、マウンテンのフェリックス・パッパラルディとのセッション&プロデュース作などを発表した後「ロンリー・ハート」が大ブレイク。アダルト・ロックでゼニ儲けにいそしんだ。この辺はサンタナに近いものがある。この辺はハードロック最低!
続く。
日向正親WEBサイト
http://atemzeit.fem.jp/
NoMeansNo来日しました!!
来日まで眠れぬ夜を現状の最新作all roads lead to ausfahrtでやりくりしつつ、
いってきました十三はファンダンゴ。09/03/27のことです。
いやー仕事で打ち合わせが長引き、途中からあんまりそわそわしないで状態だったので何を急いとるのか不審に思われたかもしれぬがとにかくチャリンコをダッシュで漕いで家に到着、
ひさびさになにを着ようかと迷うこともなくタンス明けた目の前にはYouKillMeのシャツがくちゃっとまるまっていたのでそでを通したところパッツンパッツン。
来日まで眠れぬ夜を現状の最新作all roads lead to ausfahrtでやりくりしつつ、
いってきました十三はファンダンゴ。09/03/27のことです。
いやー仕事で打ち合わせが長引き、途中からあんまりそわそわしないで状態だったので何を急いとるのか不審に思われたかもしれぬがとにかくチャリンコをダッシュで漕いで家に到着、
ひさびさになにを着ようかと迷うこともなくタンス明けた目の前にはYouKillMeのシャツがくちゃっとまるまっていたのでそでを通したところパッツンパッツン。
しゃれっけ出してロンTに重ね着したらさらにパッツンパッツンでアメリカのアホウっぽくなったので十三へ。
到着してひさしぶりの夜の十三、姐さんやポン引き、やんごとないリーマンの跋扈する中
気持ははやりながらもええ年こいてこのスケベ通りを速足で歩くのもダサいので大人の余裕でファンダンゴ到着。
キャッシャーでドリンク代はらっとると、奥のカウンターからアキラ登場!なんか話したような気がするが、きもそぞろで全然覚えとらん。
ちょうどはじまったとこかどうなのかはわからぬ午後8時半、ステージには13年ぶり?の御大達が!あいかわらずのバキバキな音質とえげつないテクニックでしびれるパンクチューンをたたきだしておる!
客席見渡すと見知った顔がちらほら、とりいそぎビールを片手にステージへ。
いやーーーしかし、前回の来日、あのころも爺やったけども、今回もあいかわらず爺!
あ!みんなハゲかけ!
曲は新旧とりまぜつつというよりファーストから現在までフォローするラインナップでうれしいかぎり。
合唱したり、拳振り上げたり、上着脱いだり、便所行く途中で見かけたSHINのケツたたいたり、
あっちゅうまに時はすぎ、舞台を退いて便所方面に向かうNoMeansNoの兄貴たち。
楽屋に帰らないところがさすがシニカルでユーモアたっぷりな兄貴たちのやりそうなことで、
アンコールはじまると、ステージわきからHIDE氏乱入!
なんか前回も乱入してた気がするが、たぶん時間はあの時のままつながっているんだろう。
最後OhNoBlunoとかハンソンブラザーズやったりでさくっとかえっていったけど、それでも時間は10時を超えており、ほんまようやってくれたと感謝のしきり。
ファンダンゴバータイム始まる中、水色ブレインの銀河クンとおれのほうがNoMeansNo好きじゃいとドングリの背比べしたり、クリトリックリスのスギムに嫁はん紹介してもろたり、シンとシャツほしーなー、金ないなーとだべったり、カウンターに陣取ってたアキラとたらたら話したりしながら、チケット代としてこずかい前借りしているぐらいなのでそそくさと自宅を目指す。
みなとバイバイして一人単三電池で稼働するMP3プレーヤーに入れたNoMeansNoをながしながら駅に向かうと、なんだかなんだかとっても切なくなってきた。
なんだろう、なんで気分が沈んでるんだろうと思いながら電車に乗り、本町で降りて地上に出ると、なんだか泣きたい気分。
そこではたと気づいた。これ本気で感謝してたときの気分といっしょや!
そうや!JohnnyCash聞いてボロボロ泣いた時の気分といっしょや!
人生の黄昏を垣間見た時の心持という、なんだかポツネンとしたこの感覚をかみしめながら自宅に到着。
どやった?と嫁に問われるも、なんとも答えられる気分でもなく、
雑炊あるでといわれたので頂くと、なんだかスッキリした。
なんや!腹減ってただけか!俺!
といった一日であった。
抽象を抽象化して笑い飛ばしてン十年、NoMeansNoははにかみながら永遠の中二で
ありつづけることだろうし、Icon化からすりぬけて、対峙するわしらをおちょくりつづけていくのやろう。
動画はおそらく1980年前後のデュオの時の映像。
ということはもう30年弱はやっとるのやな。ストイックでありつつ、カナダ無神論なイキフンがたっぷり。
NoMeansNoの諸先輩方はわしにとってヒーローであるのは当然として、
これからは人として目指していきたいと感じておる次第。
いや、いつかはきっと同じステージに立ちたい!