日向正親による Zero Set解説

盟友日向正親から95年ぐらいにもらったミックステープの解説がスコブルセクシィなので、許可を得て掲載。その第3回。

Zero Set
グルグルの解説にもある、ちょっと異常なロック・ミュージック。タケが初めて「ひなてぃーの持ってるやつで初めてキた!」といわしめた一枚。噂には聴いていたが、これくらいすごいのは久しぶりに聴いた。ドイツ恐るべし。といってももう10年以上前の音源なんだけどね。メビウスというのは、ドイツ電子音楽の中でも特にオカシなクラスターのおじさん。もう60過ぎ。だけどやってることは全然変わってない。音が好きでたまらない、シンセの使い方は知ってるけれど、曲を演奏した試しがないひと。プランクは、当時のドイツで一番人気のあったミキサー&エンジニア。彼の作品は、エイドリアン・シャーウッドなどにも影響を与えている。で、最後にドタバタ叩きまくってるのがマニおじさん。いい仕事してます。
日向正親WEBサイト

日向正親 Damo’s Network解説

盟友日向正親から95年ぐらいにもらったミックステープの解説がスコブルセクシィなので、許可を得て掲載。その第2回。

Damo’s Network

CANのダモ鈴木、ミヒャエル・カローリ、グルグルのマニ・ノイマイヤーなどが集まって作られたセッション・グループ。要はダモ鈴木の日本凱旋公演用のメンバである。数年来のファンである自分の声が随所に入っている。いい記念だ。この時マニ・ノイマイヤー、御年60歳。このドラミングは驚異だ。97年東京二日目。会場に来たお客さんにだけ、その日の模様を後々無料配布した非売品。なお、ライナーに「この三回のコンサートで一番印象に残った言葉。東京の二度目のコンサートで“ダモさん 長生きしてくれよ~”とある若者の云った言葉。涙が出る程うれしかった」の若者、実はわし。それ以後、彼とはマブダチ(笑)。

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http://atemzeit.fem.jp/

日向正親 ハードロック解説

盟友日向正親から95年ぐらいにもらったミックステープの解説がスコブルセクシィなので、許可を得て掲載。その第一回。
花電車 2nd
2枚組。アルケミーから発売された作品の中でもっとも再プレス希望が多い作品でもある。明日のことはわからないが、わからないこともまた幸せだった時期にリリースされた。前回送った花電車とは雰囲気が全然違うのだけれど、どっちが好みだろうか。わしはどっちも好きだ。ハードロック時代になにもかも知ってしまっただけ。なお、三曲目からのソーシングとなったが、これはいろんな所に持っていって聴いていた罰。CDにヒビが入り、1、2曲目が聴けないから。
2枚組。アルケミーから発売された作品の中でもっとも再プレス希望が多い作品でもある。明日のことはわからないが、わからないこともまた幸せだった時期にリリースされた。前回送った花電車とは雰囲気が全然違うのだけれど、どっちが好みだろうか。わしはどっちも好きだ。ハードロック時代になにもかも知ってしまっただけ。なお、三曲目からのソーシングとなったが、これはいろんな所に持っていって聴いていた罰。CDにヒビが入り、1、2曲目が聴けないから。

マリア観音
現在、日本で最も非商業的なバンド。ベースの自殺などを乗り越えて、現在は杉並の公民館を毎月借り切ってステージに立つ。花電車とのハード対決で完全勝利し、おれから云わせると花電車にハードロックをあきらめさせたバンド。結成は80年代後半。ハードコアのライブを見て、おれならもっと凄いことができると始めたのはリーダーで身長・アクションすべてにおいてナイナイ岡村とうり二つな木幡東介が、岡村にはない「果てのないシリアス」さで観客すべてを圧倒する。死ぬまでに一度はライブを見ておいた方がいい。見せ物としてのミュージックというものがどういうものか、彼らは本当によく知っている。抽象的だが、そういわざるを得ない。ただ、濃いだけのバンドはどこにでもいる、でも本当のシリアスを知っているものはごくわずかだ。

DEW
現存する唯一のDEWフル音源。ハードロック好きなにんげんなら一度は通らなくてはならない道だと、勝手に思っている。演奏はどうでもいい、ボーカルの布谷文夫のキレ方におどろけ! 1971年フォークジャンボリーでのライブ。おなじ日、おなじステージに、彼がもといたバンドで旧友の竹田和夫率いる「ブルース・クリエーション」のグレートなライブがあり、それも続いて収録した。

その後、彼はDEWを解散し大瀧ファミリーの仲間入りをして、奇妙としかいいようのない「ナイアガラ音頭」をリリース、売れ行き不振のままサラリーマンになったが数年前復活。相変わらず相手が誰だれであろうとも食ってしまう熱いステージを繰り広げている。

ブルース・クリエーション
前述のDEWの狂乱ボーカリスト、布谷文夫が天才ギタリスト竹田和夫と組んでいたGSバンド「ビッキーズ」からブルースを演奏するために始めたのがこのブルース・クリエーションである。布谷は1st発売時点で脱退、代わりに入ったボーカリストがこのカタカナ英語で歌い倒す、これまた逸材の大沢博美である。2nd「悪魔と11人の子供達」でハードロック、とりわけブラック・サバスやクリムゾンを彷彿とさせるヘヴィ・チューンで日本ロック・ファンの度肝を抜く。

竹田和夫の分かれた女房で、未だに姓を名乗っている竹田さんとは東京で初めて行きつけになった近所のストーンズ・バーで知り合った。
「どんなひとでした?」
「あぁ、あいつはね、ただのギター少年なんだよ」
こういう、ロック・イディオムの中でインプロ・プレイするひとたちをどうにもこうにも忘れられない。ロックってそういうもんでしょ? なにも考えずにひたすら陶酔する、プレイヤもオーディエンスも。チューニングのずれすらかっこいいのは、焼けるほど熱い彼らのプレイそのものから来ていると思う。ハードロック最高!
後々、「クリエーション」と改名、マウンテンのフェリックス・パッパラルディとのセッション&プロデュース作などを発表した後「ロンリー・ハート」が大ブレイク。アダルト・ロックでゼニ儲けにいそしんだ。この辺はサンタナに近いものがある。この辺はハードロック最低!

続く。

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